WHODrug Global

世界で最も汎用されているドラッグ リファレンス ディクショナリWHODrug Globalが、このたび英語に加えて中国語でもご利用可能になりました。

標準化された医薬品情報

WHODrug Globalは医薬品情報の国際的なリファレンスディクショナリでUppsala Monitoring Centre (UMC) が管理しています。その幅広く網羅された情報と独自の階層的コーディングシステムで、併用治療薬のコーディングの際、用語の一貫性および正確性というニーズを満たしています。当辞書は、世界約150ヶ国から情報を集めており、有効成分や医薬品の解剖治療化学分類(ATC)を含む医薬品名の特定および医薬品情報の評価に使われています。

WHODrugデータは、従来型医薬品と植物性医薬品の両方を網羅しています。従来型医薬品には、医療用医薬品、一般市販薬(OTC)および薬剤師によって調剤される製剤、バイオテクノロジー応用医薬品や血液製剤、診断用医薬品、造影剤が含まれます。米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)によって登録された医薬品や物質も定期的に更新されています。

データは継続的に更新され、年2回(31日ならびに91日)リリースされます。辞書ファイルは、WHODrug Global のサブスクライバーであれば、オンラインブラウザWHODrug Insight で検索・閲覧でき、またtext ならびに csv ファイル形式でもご提供しております。WHODrug Global購読についての詳細はこちらのリンクをご覧ください。

WHODrug Globalの利点

WHODrug Global辞書の標準化されたデータによって、治験やファーマコビジランス(医薬品安全性監視)における医薬品関連の問題の特定がより容易になり、結果としてより安全な医薬品の開発に繋がります。これは、コーディングにWHODrugを使用することで、分析がより効率的になると同時に、規制当局への提出が迅速化されるためです。

WHODrug Globalは、WHO(世界保健機関)の有害事象報告のグローバルデータベースであるVigiBaseで医薬品安全性の問題を解釈および評価する際にも不可欠な情報源です。WHODrug Globalは、異なる詳細レベルでの識別とデータ集約を可能にし、効果的で正確な安全性シグナルの解析を実現します。

世界中の規制当局の間で、医薬品データを標準化された形式で提出することの重要性、ならびに治験と医薬品安全性モニタリングのために共通の辞書と正確な用語を使用する意義への認識が高まっています。米国FDAにより、2019年3月15日以降に開始される試験でのWHODrug Globalの使用が義務付けられており、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)によってその使用が推奨されています。このたびWHODrugの中国語でのご提供が可能となったことで、中国におけるファーマコビジランスがさらに進み、国際社会との医薬品規制システムの統合が期待されます。

WHODrug Global Chinese

WHODrug Globalによって、中国語での直接コーディングの際、標準化され品質保証された中国語の情報をご提供できるようになりました。また、英語と中国語の医薬品情報を即座に翻訳することが可能になり、中国国内外の規制当局への提出プロセスを簡素化できます。

詳細はこちら

WHODrugデータを最大限に活用する

WHODrug Global のサブスクライバーであれば、WHODrug Standardised Drug Groupings (WHODrug SDGs) や以下のツールへのアクセスも可能となります。 

  • WHODrug SDGs は、薬理学効能や代謝経路等の様々な切り口でグループ化された医薬品の分類リストです。WHODrug SDGsはユーザーがある特定のプロパティを共有する医薬品を調べたい場合、そのグループに属する医薬品を簡単にリスト化できます。例えば、治験において注意したい医薬品リストやプロトコール違反リストの作成などに役立ちます。
  • WHODrug ファミリーに新たに加わったオンラインブラウザWHODrug Insight、過去の配信ファイルとの差異を比較しWHODrugのバージョンアップを容易にするWHODrug Change Analysis Tool (CAT)の利用、さらに辞書内容の追加・編集・修正のリクエストが可能なWHODrug Change Requestも含まれています。

さらに利用可能な追加製品として、医薬品にATCを自動的に割り当てるアシスタントツールとしてのWHODrug Koda、日本のIDFとWHODrugの双方向性コード変換ツールであるWHODrug Cross Reference Tool Japan(CRT Japan)、 ATC 5thレベルのコード割り当てが必要な際のWHODrug Cross Reference ATC 5もあります。

WHODrug CRT Japanは、UMCと医療用医薬品名データファイル(IDF)のメンテナンス機構である医薬品情報研究所(医情研)が協力して開発した、IDF とWHODrug の双方向性コード変換ツールです。WHODrug CRT Japan を使用することで、日本国内で活動する製薬企業が、CDISC化により必要となったWHODrugを用いての併用治療薬情報をPMDAに提出する際の変換が容易になります。またWHODrug CRT JapanをWHODrug Global ライセンスに追加すれば、ブラウザ WHODrug Insight上で医薬品の日本語名を閲覧することもできます。

サブスクリプションの方法

WHODrug Global ライセンス料およびValidation リクエストサービス。WHODrug Global はサブスクリプション(定期配信)形態の契約で、契約締結後12 か月間、WHODrug 製品の使用が可能になります。ライセンス料はWHODrug Global 辞書基本パッケージに加え、WHODrug Global を使用されるサイト数やユーザー数の追加、また別途追加製品の利用の有無により異なります。

WHODrug Globalのサブスクライバーであれば、必要なすべての治験で、有効なライセンスを保有している CRO やサービスプロバイダーと何社でも協業することが可能です。貴社の治験パートナーがライセンスを保有しているか否かを、このリンクにある Validation リクエストサービスより確認することができます。Validation リクエストは、スポンサーならびに CRO の双方から出していただくようお願いしています。

ご質問等ございましたら、whodrug@who-umc.orgまでお問い合わせください。

Last modified on: February 22, 2024